作例レビュー
今回はすべての撮影をE-M1 Mark IIIで行いました。これも良いカメラなんですよねぇ。
風景
オートフォーカスレンズではないので動体には向きませんが、じっくり撮れる風景ではこの換算20mmの画角が効いてきます。
まずは日の沈みかけた夏空を一枚。いやぁこんなにコンパクトなのに素晴らしい解像感。色ノリも良いです。
焦点距離10mmは被写界深度が非常に深いので、マニュアルフォーカスレンズといえども難しさは一切ありません。
そのためF4~F8くらいにしておけば何も考えずにピントの合った写真が撮れます。列車だったら置きピンでヨユーヨユー。
最短撮影距離12cmの接写性能を誇るのでグッと寄ってボケを作ることも可能です。それでもちょっとボケは物足りないですが(笑)
こちらは絞り解放ですが、ピントの合った植物の解像感が中々素晴らしい。
フォーカスピーキングなどMFレンズを使う時に便利な機能が使えますのでピント合わせは非常に簡単。フォーカスリングのもっちりとした質感も気持ちよくMFレンズの楽しさが味わえます。
換算20mmの画角を持つレンズなので普通にとってもかなりパースが付きます。当然ですが物撮りには使えません(笑)。
ロードバイクもパース感のある1枚で撮れてしまいますが、これはこれで今までにない撮影体験で面白いです。やっぱり広角レンズは1本持っておきたいですね。
広角レンズと言えば幅広い画角を利用して風景を撮ってみたくなりますが逆行耐性が低いのがネックです。
上の写真の様に太陽光などを入れると盛大なハレーションやフレアが発生してしまうので構図には注意が必要です。レンズフードの遮光効果がゼロに等しいですし、超広角ゆえに手を使ったハレ切りも難しいため構図を工夫するしかありません。
夜スナップ
寝苦しい夜の夏はカメラを持って歩こうよ(不審者にならないよう注意w)
レンズ名に与えられたZero-Dは歪み(ディストーション)ゼロの意味で、その名の通り極めて低い歪曲で撮影が可能です。
建物を撮ったりしても広角レンズでよく見る嫌な歪みが発生しません。この特性は富士フイルムのXF14mmF2.8とも似ており、真っすぐがちゃんとまっすぐに写るレンズが大好きな僕としてはかなりポイントが高いです。
ちなみにLightroom等で読み込むとレンズ情報名が LAOWA C&D-Dreamer MFT と書かれています。Zero-DのDはディストーションのDではなくドリームのDだって某走り屋漫画かよ。
田舎は夜中になると本当に誰もいないのでスナップがはかどります(笑)。カメラがあるだけで散歩が10倍楽しくなりますよ!
上がステン板張りの天井で逆さ自販機になる面白い構図を発見。
おっと思ったらフォーカスリングをじっくり回してピントを合わせてシャッターを切る…昨今AF性能や連射性能が取りざたされていますが、自分が本当に楽しみたかった写真はこういう所かもしれないなぁとしみじみ。
5枚絞り羽根と枚数は少ないですが、絞ればシャープな10本の光芒が楽しめます。9枚絞り羽根だと18本出てうるさく感じてしまうので10本はちょうどよいですね。
こちらは日本に数少ないロータリーで三脚を構えて長秒露光し、自分でマイカーを走らせてライトの光線を描いてみました。深夜に何やってんの自分(笑)
ちなみに光芒のウニウニはF4くらいから発生し始め、F8でシャープな仕上がりになります。
星空
超広角の明るいレンズといえば星景でしょう!(画面表示だと星が見にくいので拡大してみてください)
F4にして鉄橋の照明の光芒を出しつつ星を撮影してみました。ブログサイズに圧縮しているので分かりにくいですがプレアデス星団まできっちり写っています。
星空なら解放で撮影したいところですがF4まで絞ると夜景と合わせても良いですし、周辺減光やコマ収差もほぼなくなるのでうまく使い分けましょう。
20mmというは星景では標準レンズと言っていい画角です。街並みや風景と合わせた星空の撮影にもぴったり。
マイクロフォーサーズは高感度が強くないのでノイジーになりがちですが、解放F2のレンズであればISOの上昇を抑えることができるので安心ですね。
ちょっとキツめに現像したのでややノイジーですがプレアデス星団や火星まで確認できる写真が撮れました。
星空は基本MFで撮るのでレンズがAFであることにアドバンテージはありません(OMDSのカメラであれば星空AFが使えますが)。小さいレンズの機動力を生かしてバリバリ星空を撮って遊びましょう。
ただレンズのフォーカスリングを止まるまで回し切ると無限遠を通り越してしまうオーバーインフ現象が見られますので、ライブビューブーストなどカメラ内の機能を利用してしっかりとピント合わせは行ってください。
OMDS、パナソニックの両カメラに搭載されたライブコンポジット(比較明合成)という機能を使えば簡単に星の軌跡を描くことも可能です。RAWも残すことができるので現像も楽しめます。
比較明合成機能をカメラ内に搭載しているメーカーはOMDSとパナソニックだけ。パソコンを使った面倒な剛性をせずともお気軽に撮影できちゃいます。
E-M1 Mark IIIの素晴らしい手振れ補正能力を駆使すれば手持ちで星も撮れちゃいます。これスゲー。
さすがに3秒を超えてくると難しいですが、こんな飛び道具的な楽しみ方も可能です。
超広角が、MFが、軽量コンパクトが、すべてが楽しいマイクロフォーサーズ傑作レンズ
ということでLAOWA 10mm F2.0 Zero-D MFTのレビューでした。
初めてミラーレスカメラ専用のマニュアルフォーカスレンズを使ってみましたが、感想は楽しいの一言!
マイクロフォーサーズの深い被写界深度と相まってMF素人の僕でも楽しく撮影が行えました。パナソニックから9mmF1.8というAFレンズが発売されましたが、周辺描写や星景の使いやすさはこちらのレンズの方が上かと思います。
たまにはOMDSやパナソニック以外のレンズを使ってみたいなぁという方にも超おススメです。カメラのサブスクリプションサービスGOOPASSさんでも安く借りれるのでレンタルもおすすめ。
マイクロフォーサーズ 機材レビュー記事 一覧
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