富士フイルムの広角単焦点レンズ XF16mmF2.8 R WRのレビューです。
2019年3月20日に発売されたフジノンレンズコンパクトプライム単焦点の中でも新しい製品です。
レンズのウリはAPS-Cとは思えぬコンパクトさと軽さ、それでいて防塵防滴で絞りリング付きであること。昨今のスマートフォンの画角に慣れた方には使いやすいレンズかと思います。
今回はカメラレンタルのサブスクリプションサービス「GOOPASS」さんよりレンタルしてみました。
重量や使用感、カメラに取り付けた時に見た目などをたくさんの作例と一緒にレビューしたいと思います。
防塵防滴単焦点ならやっぱりスナップ!?
FUJIFILM フジノンレンズ XF16mmF2.8 R WR レビュー
レンズスペックチェック
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 16mm(35mm換算 24mm) |
F値 | F2.8~F16 |
最短撮影距離 | 17cm |
最大撮影倍率 | 0.13倍 |
画角 | 83.2° |
最大径×長さ | 60×45.4mm |
構成レンズ枚数 | 8群10枚 |
絞り羽枚数 | 9枚 |
フィルター径 | 49mm |
重量 | 155g(カタログ値) |
鏡筒材質 | 金属 |
防塵防滴 | 有り、-10℃耐低温構造 |
付属品 | 前後キャップ、レンズフード、ラッピングクロス |
レンズ型式についてですが、XFがシリーズ名、16mmが焦点距離、F2.8が解放F値、Rが絞りリング有、WRが防塵防滴ということを示しています。
外観チェック
レンズフードを付けた状態でも超小型です。同じコンパクトプライムシリーズのXF50mmF2 R WR とレンズの直径が同じなので見た目の統一感も良いですね。
レンズ先端側にあるリングはマニュアルフォーカスリング、手前にあるリングは絞りリングとなっており、絞りリングの方には絞り値の表記が入っています。
フォーカスリングは一段くびれたところにあり、操作の際に間違えにくいところもXFコンパクトプライムの統一コンセプトとなっています。
フード有りの見た目
フードを取り付けた状態です。ご覧の通りコンパクト。
この小さいフードに遮光の効果はあるのか…はたまた前玉保護(にもなるのか…?)なのかは分かりませんが、フードがあってもレンズキャップの脱着の邪魔にならないため、よほど理由がなければつけっぱなしで運用して問題ないと思います。
広角レンズは遮光性が重要なのでフードは必須!
フードは逆付け可能
フードはもちろん逆付け可能。あまり主張しないフードなので逆付けしてもしなくても大してサイズに影響はしませんが…(笑)
フードが付けづらくて有名なフジノンレンズですが、本レンズのフードは小さく剛性が高いためかつけにくくは感じませんでした(XF16-80mmとかマジで付け辛い)。
XFレンズのコンパクトプライムシリーズはX-Proシリーズのハイブリッドビューファインダー付き機種で使うことを想定しているので、ファインダーをのぞいた時にレンズでフレーミングにケラレが発生しないよう先細りのデザインになっているものが多いです(例:XF23mmF2、XF35mmF2など)
XF50mmのレビュー時、「個人的には先細りデザインはあんまりカッコいいとは思えませんね(笑)」と言っていましたが、全長の短い本フードはまだ見た目は悪くないかと思います。
絞りリング
絞りリングの操作感はチキチキと軽いです。フジノンレズの絞りリングはレンズごとに軽かったり重かったりと個体差が多く、どうにも統一感がないのがマイナスですが、コンパクトプライムの単焦点シリーズは割と統一された操作感なのでまあ良いでしょう。(個人的にはもう少し重めだと嬉しい)
前玉
F2.8ということもあり前玉は小さめでフィルター径は49mmです。
XF50mmは46mm…そこは統一してくれませんかね。
光学的に突き詰めた結果フィルター径が異なるのが正解なのか、同クラスの単焦点はフィルター径を揃えて流用が利くようにするのが正解なのかはメーカーの思想によります(フジは前者、Sonyとかオリンパス、パナソニックは後者な感じです)
一応フィルターは必ず買うタイプですが、前玉は小さく触りにくいためなしで運用しても良いかもしれませんね。
重量チェック
色んな状態で重量を測ってみました。
レンズ本体のみ
155gでした。
前後キャップとフードを外し、フィルターもないレンズのみの状態の重量は155gとカタログスペックピッタリでした。これは素晴らしい。
レンズフード
7gでした。
レンズフードは樹脂製のほぼ輪っかと言える大きさなので軽いですね。
たまにフードも金属製を所望される方がいますが、個人的にレンズフードは断然樹脂派です。ぶつけても剥げたりしませんし、衝撃吸収もしてくれますからね。
あと傷ついても買い替えが安い
本体+フード+保護フィルター
本体にフードと保護フィルターを取り付け、前後キャップを外した撮影可能状態です。
175gでした。
保護フィルターが約13gということですね。もはやマイクロフォーサーズ並み。やっぱり軽いなぁ。
可搬状態
上記の状態に前後レンズキャップを取り付けた可搬状態です。持ち運ぶときはこの状態ですね。
195gでした。
サイズが小さい上にこの重量ならカバンに入れていてもあまり気になりませんよね。
X-T4と合わせてみました
愛用のX-T4にレンズを取り付けてみました。
レンズが可愛く見えます(笑)
本体サイズに対してレンズのほうが少し小ぶりに見えます。
元々コンパクトプライムシリーズはX-T2桁、X-Eシリーズ、X-Proシリーズ向けに開発されているためX-T4にはやはりちょっと小さく感じますね。まぁでも小さいことは可搬性や持ち重り感的に有利なのであまり気にせずガシガシ振り回しましょう(笑)
フードを外してみました。めずらしくフードがない方がカッコいい気がします。コンパクトボディのおかげかフード取付用のバヨネット部が小さいので見た目が良いですね。
直径の小さいレンズなのでストリートスナップで目立たず、被写体に威圧感を与えにくいのもメリット。
全長の短いレンズですがくびれがあるため持ちやすさやリングの操作性は上々です。
フードがあると指がかけやすくなるので、やっぱりつけっぱなしにしておいたほうが便利だと思います。
僕みたいに手の小さい人間には持ちやすいレンズですね。
ひょいっと片手で持てるハンドリングの良さは素晴らしいと思います。
X-T4はボディが重いので、レンズの全長が短く軽いものならほとんどレンズなしと重量バランスが変わらずに感じます。
撮影重量チェック
レンズフード+保護フィルター+レンズ本体+X-T4(バッテリー+カード2枚)+ピークデザインアンカーを合わせた総重量は788gでした。
やっぱりレンズの軽さが際立ちますね。本体重めなAPS-Cにしてはかなり健闘している重量かと思います。
駆動音、AFなど
ステッピングモーター駆動のインナーフォーカス式AFなのでフジノン単焦点レンズの中ではかなり早いAFスピードです。
普通に使っていて困ることはまずないでしょう。
歪曲収差、周辺減光チェック
解放でシャッターを撮ってみました。
広角レンズは歪曲が気になるところですが、普通に撮影する分には気にするほどではないかなぁという印象です。
ただし周辺減光は少々あり、四隅に若干補正を感じる歪曲が感じられます。レンズのコンパクトさからみても電子的な補正は確実に入っていると思いますが、個人的に収差補正を無くして歪曲補正を残すくらいなら電子的な補正でも入っていてくれるほうが嬉しいのでこの状態は歓迎です。
次ページより作例紹介!
軽くてコンパクトな本レンズを色々な場所に持ち出して遊んでみました!