OMデジタルソリューションズ(旧オリンパス)からWowカメラことOM-1が発売され勢いを取り戻しつつあるマイクロフォーサーズ。
OMSYSTEMのコンセプトは「機動力」、同じ画角、同じF値でレンズを見比べるとAPS-Cやフルサイズに比べてレンズの大きさも重量もコンパクトにできるのがメリット。レンズ自体にも被写体に寄れて大きく写せるものが多く、防塵防滴性にも優れているのでアウトドアにも適しています。
先日OM-D E-M1 Mark IIIのレビューを書きましたが、E-M1はハイエンドカメラよろしく機能性や操作性を高めているため、カメラ自体の大きさは大フォーマットとそれほど変わりません。
もっと小型軽量なカメラを…!と考えると気になってくるのがオリンパス時代に発売されたOM-D E-M5 MarkIIIですね。
今回はそのE-M5 Mark IIIと12-45mm F4 PROレンズのレビューと参りましょう。
OM-D E-M5 Mark III M.ZUIKO DIGITAL 12-45mm F4.0 レビュー
外観と重量
グリップ付きで握りやすいE-M1に対いてグリップレスのフィルムカメラ風のデザインが特徴なE-M5 Mark III。
金属ボディのE-M5 Mark IIに対して軽量化のためオールエンプラになりました。
各所で質感が安っぽいとありますが、正直とても安っぽいです(笑)。公式HPで持つ歓びを感じれるカメラと書いてありますが、全く持つ歓びなんて感じません。どこを触ってもプラスチッキーで貼り革すらないSDカードのフタなんて泣けてきます。
ただ道具として気兼ねなくガシガシ使うという点ではよいと思いますよ!
肝心の重量はバッテリーを入れた状態で416gと強力な手振れ補正にファインダーを搭載したカメラとは思えぬ軽快な重量です。ここに関してはプラボディ様様。
中堅グレードなら600g越えは当たり前なカメラ界隈ですが、400g前半はかるーい!の一言。心まで軽くなりますね。
カメラのデザインは基本的にE-M5 Mark IIと似たような感じですが、ペンタ部(ミラーレスはペンタプリズム入ってないけど)のとんがり帽子具合がよりシャープになり、グリップの膨らみも少し大きくなったのが特徴です。
とは言ってもよくある大型のグリップではありませんので握り心地こそグリップ付きに劣りますが、マイクロフォーサーズのレンズは軽いものが多く、使っていてもそれほど気にならないことが多いです。
他社のグリップレスもしくはグリップが小さい製品と比較するとフジフイルムのX-E4やニコンのZ fcより圧倒的に握りやすく、手の納まりの良さはX-T30の上といった印象です。ぜひ握り比べてみてください。
僕みたいに手の小さいユーザーや女性の方には握りやすいカメラかと思います。
操作系について
向かってマウント部左下にはファンクションボタンが設けられていて初期は絞りプレビュー機能となっています。ここはカスタム可能なのでお好きな機能を割り当てられても良いでしょう。
カメラの軍艦部にはロック可能なモードダイヤルと操作ダイヤルが2つ、露出補正、録画、ISOボタンと電源レバー同軸にシャッター設定とAF設定のボタンと中堅グレードのカメラとしては十分に備わっています。
オリンパス(OM)のカメラの良さはエントリーから中堅までしっかりとした操作系を搭載している点。
特にOM-Dシリーズの回しやすい前後ダイヤルはカメラ設定を変更しやすく、各種ボタンもカスタマイズ性に優れています。
左手を使わないと操作できない電源レバーはちょっと不評ですが、本体背面のファンクションレバーに電源ONOFFを割り当てられるので気になる方は設定を変えておきましょう。
ちなみに僕は露出補正はリアダイアルで行えるように設定を変更し、露出補正ボタンにはホワイトバランスを割り当てています。こうしておけば基本の撮影設定はすべてボタンから弄れます。
背面はバリアングル液晶にファンクションレバー、AEL/AFL、メニュー、INFO、OK、ゴミ箱、再生ボタンと必要なボタン類はすべて搭載されています。ファインダー左側のスペースにボタンはありませんが、E-M1 Mark IIIと違い右手だけでメニュー操作ができるのは良い点です。
流行りのジョイスティックは搭載されていませんが、フォーカスの移動は十字キーやタッチパネルで行う事が可能です。タッチAFなどの操作の滑らかさやレスポンスは同じマイクロフォーサーズのLUMIXシリーズに比べると少し劣る印象です。
ファインダーはOLED(有機EL)236万ドット、倍率は1.37倍(フルサイズ換算約0.69倍)とミドルクラスとしては十分なスペック。オリンパスのOLEDファインダーは光学系も優れているのかとても見やすく定評があります。
アイポイント(ファインダー接眼部からケラレが起きずに覗ける距離)が27mmとE-M1 MarkIIIより長く、他社製品と比較してもかなり長いです。眼鏡をかけていても隅々まで覗けるファインダーということですね。
バッテリー、SDカード、接続ポート類
バッテリー室
バッテリー室はE-M1やE-M10と同じくグリップ部分にあり、バッテリーはオリンパスおなじみのBLS-50を使います。
バッテリーの持ちはそこそこ良いですが、登山などで長時間撮り歩いたり、プロキャプチャーなどのコンピュテーショナルフォトを多用する方は予備を買っておくと良いでしょう.
BLS-50バッテリーはそれほど高くないので純正品がおすすめです。
SDカード室
SDカード室はグリップ横にあり、カードは1枚差すことができます。
中堅モデルらしくカードスロットは1枚だけですが書き込み速度の速いUHS-IIに対応するので、プロキャプチャーや連射を使う方はちょっといいUHS-IIのメモリーカードを用意しておくといいでしょう。
最近の僕のおすすめはプログレードディジタルというSDカードです。撮影画像の転送がとても速く信頼性も高いです。
接続ポート
左からφ3.5ステレオミニジャック、φ2.5イヤホンジャック、HDMIマイクロD、USBマイクロB、とそれなりのコネクタ類は用意されています。
2022年10月27日追記。後継機のOM-5が発売されましたがまさかのマイクロUSB継続でキレました(笑)
マイクはバリアングル液晶の操作に干渉するので動画派は気を付けたいところですね(このカメラでどれくらいの方が動画を撮るのかはおいといて笑)。
付属レンズ M.ZUIKO DIGITAL 12-45mm F4.0 PRO
E-M5 Mark IIIの発売から少し遅れて投入された12-45mmmのPROレンズです。
PROレンズはFnスイッチやフォーカスクラッチなどレンズ自体に多彩な機能が盛り込まれているのが特徴ですが、本レンズはより軽量化を重視して、それらの機能は省かれています。
のちに発売された8-25mm F4.0 PROや40-150 F4.0 PROなども同様なので、OM SYSTEMではF4.0シリーズは写りと防塵防滴はプロレンズで、よりコンパクトさ軽量化を重視したラインナップにするようです。
このレンズの詳細はまた別の記事で紹介しようと思います!
付属品について
バッテリー、マイクロBケーブル、充電器、ACアダプター、フラッシュ、ストラップ、レンズポーチが付属します。
うれしいのがコンパクトフラッシュの付属。
中堅グレードのカメラにはストロボ内蔵のものが多いですが、バウンスができなかったり大きなレンズだとフラッシュ光がケラレたりするのでべった位のほうが嬉しいですね。使わないときは軽くなりますし。
しかもこのフラッシュ、電源はカメラのホットシューから供給されるため電池を必要としません。内臓ストロボより断然嬉しいです。
おすすめ用品
登山やロードバイクなどのアウトドアで使う場合は液晶保護用のガラスフィルムをお使いになるのがおすすめです。幸いE-M10やE-M1などと同じフィルムサイズで選択肢が豊富なので選び放題です。
レンズ装着の姿とLUMIX G99との比較
キットレンズを本体に取り付けてみました。こういう写真はフードなしで撮るものですが、普段使いするフードを付けてないと見た目のイメージがわかないじゃんと思うタイプなのでフード付きです(笑)
レンズフードが12-40mm F2.8より大きめで少し主張がありますが、全体的なバランスは非常に良好です。
そのフードのおかげでテーブルに置くと少しボディが浮いてしまいますね。
フードは逆付けできますが、12-40mm F2.8と比較して逆光耐性が強くなっているので邪魔な人はフードなしでも良いかもしえれません。
本体+レンズ+フードの重量は690gと超軽量。
フルサイズボディ以下の重量で換算24-90mmの画角が使えて、その写りはプロレンズなのは素晴らしいですね。
愛用しているG99に12-60mmF3.5-5.6のレンズを装着した状態のものが781g。だいぶE-M5 Mark IIIが軽いですね。
G99は当ブログにレビュー記事がありますので、ぜひお読みください。
G99と並べてみるとE-M5 Mark IIIの小ささが際立ちます。
画質とファインダーは同等でどちらも防塵防滴仕様なので、グリップの有無や重量、絵作りの違いなどお好みの方をチョイスすれば良いかと思います。
次ページからは作例レビュー
それでは次ページより作例紹介に参りましょう~!