本ブログを立ち上げる前から使用しているPanasonicのミラーレス一眼 LUMIX G99をレビューを遅まきながらやりたいと思います。
あまり使っている方をネットやブログでは見かけませんが、使い込めば使い込むほどマイクロフォーサーズの良さを噛みしめられるナイスミドルクラスカメラです。
今回は開封や作例をお見せしてたっぷりと魅力を紹介していきたいと思います。
2022年10月20日、後継機のLUMIX G99D が発表されました。
G99DはG99の液晶を有機ELパネルに変更したのみのマイナーチェンジモデルとなっており、昨今の半導体、部品流通の事情での変更だと思われます。
変更された有機ELパネルは大変鮮やかで見やすく、G99の魅力がさらにアップしているのにG99よりも価格がお安くなっているので検討中の方はG99D一択です(商品リンクもG99Dに変更しております)!
当ブログでは旧型のG99を紹介していますが、基本的に有機ELパネル以外は変更なしなので、G99Dを検討中の肩にも本記事はお役に立つと思いますよ。
LUMIX G99の開封レビュー
気持ちいいグリップと凝縮された操作性
開封したボディがこちらです。
LUMIX G8でも評判の良かったグリップですが、さらに指かかりが改善されて非常に持ちやすく仕上がっています。
カメラの指かかりというものは非常に大事で、グリップの良いカメラはレンズの重量を一段軽く感じさせてくれますね。
マイクロフォーサーズのミドルクラスはグリップがないカメラ(GX7やOM-D EM5系など)が多い中、これだけしっかり握れるグリップは貴重なのではないでしょうか?
ボディ内手振れ補正(5段分)に加え内臓フラッシュもありますので夜景や室内撮影でも安心です。
本体左側のカバーを開けるとHDMIやイヤホン、リモート、マイクロUSB端子があり、様々な撮影スタイルや用途に対応してくれます。
Panasonicは中々USB-Cに舵を切ってくれないところがありますが、給電に対応してくれていればコストの安いマイクロUSBのうが個人的には良かったり(笑)
豊富なカスタマイズ性と配慮の行き届いた構造
フロントおよびリアにカスタマイズ可能なダイヤルがあるほか、十字キーもコントロールダイヤルタイプなので操作系は非常に使いやすいです。
カスタマイズ可能なファンクションも物理キーで三つ、タッチパネルで5つ、さらにコントロールダイヤルの上、右、下の3つも用意され必要十分であると言えます。
SDカードもグリップ側面のラッチから取り出せるため三脚使用中でも安心して交換、取り出しが可能です。
僕は趣味の模型撮りで三脚を良く使うのでこの機能は非常にありがたいです。
ファインダーは有機EL 236万ドット 60fps 視野率100%とミドルクラス標準ですが、ファインダー倍率 1.48倍(フルサイズ換算0.74倍)とハイエンドクラス並みに大きく見えます。
上位モデルのG9の方はさらに大きく見えますが糸巻型の歪曲が気になります。対してG99は倍率で無理をしていないためか四隅までキレイに歪み無いファインダーを実現してある点は評価できます。
静止画、動画両方に対応する優れたインターフェイス
モードダイヤルはパナソニックおなじみのiA(インテリジェントオート)をはじめ、撮影シーンに適した設定になるシーンセレクトモードなど初めて一眼カメラを使う方にも安心です。
カスタマイズダイヤル(ダイヤルC)が2つまでしかありませんが、C2はメニューでC2-1、C2-2、C2-3と選べるようになっていますので実質4パターンのカスタム設定記憶が可能です。
こういうきっちり痒いところに手が届く地味な配慮をもっとアピールすればいいのに…
とついつい応援したくなる(笑)
LUMIXのタッチパネルとメニューの使いやすさは正直言ってカメラ界No.1
さまざまな家電製品を手掛けるPanasonicだからか、タッチパネルやメニューの操作レスポンスや操作感が非常に優秀で、正直LUMIXの操作系になれると他のカメラでは不満しかありません(笑)
他社にありがちな「メニュー操作だけはタッチパネルが対応しない」なんてこともないですし、そのメニューも階層が少なくまとめており分かりやすいです。
G99にはジョイスティックはありませんが、その滑らかなタッチ操作によりジョイスイティックより快適にAFポイントの操作が可能です。
撮影に必要なメニューを即座に換えられるクイックメニューと言った機能も充実していますし、基本メニュー系はLUMIXシリーズで統一されているので同社のカメラを使い回したり、将来同社の違うカメラに買い替える場合でも安心です。
この前LUMIX S5を買いましたがメニューはすぐに慣れました。というか見た目同じです(笑)
各メニューが分からなくてもDISPボタンを押せば解説が表示されますし、あぁなんでこんなにパナのメニュー行き届いているのか、と思うこと請け合いです。
使って見るとめちゃくちゃ便利な3連設定ボタン
シャッターボタンの手前に「WB」「ISO」「露出補正」のダイヤルが3つ付いているのが最近のPanasonicカメラの特徴ですがこれが非常に使いやすい。
それぞれのボタンを押す、もしくは押している間(設定でどちらか選べます)、フロントダイヤルがそれぞれのボタンの設定モードになります。
ボタンの形状はそれぞれ変えてあるため、ファインダーを覗いたまま設定が変更できます。特にマイクロフォーサーズはできる限り低感度で撮るのが望ましいのでISOダイヤルの上限と設定値を簡単に、それでいて速く弄れるのは大きなメリットです。
親指の届く位置にAF/AE LOCKがあるので昔ながらの親指AF、AEにも対応しています。
AF/AE LOCKボタンの周囲にはAFレバーがあり、瞬時にAFS/AFC/MFを切り替え可能です。
同様の機能は競合カメラにもありますが、レバーの適度なクリック感と動作量で誤操作がしにくいのが特徴です。
親指でレバーを動かしAF-Cにしてから、そのまま指を下げダイヤルの左ボタンを押せばAFモードの変更が可能なので、最小限の動作で静物から胴体まで瞬時に撮影モードを切り替えることができます。
マイクロフォーサーズとしては少し重めだが、機能と持ちやすさが光る
本体とバッテリー、SDカードを含めた重量は545gでした。
最近はフルサイズでも軽い機種が出ていますし、マイクロフォーサーズ機としても少し重めですが、防塵防滴とフロント部がマグネシウムで出来た堅牢さ、動画を長回ししてもへこたれない冷却性能は評価できます。
動画機能が注目されがちなPanasonicは冷却面などから本体の重量が重くなりがちなんです…
G99はフィールドフォト一眼というキャッチコピーが付いていますが、その名の通りの剛性感と基本スペックに対して過度に重すぎない本体重量はロードバイクや登山のお供にもピッタリです。
ちなみにPanasonicはテレビ等の家電も手掛けていることから一般消費者向け製品へのノウハウが豊富なようで、安全性や耐久性は社内基準でかなり厳しく評価しているとのことです。
そのためかパナのカメラがひどい故障をしたというお話はあまり聞きませんね。
Panasonicの堅実な設計が生きるナイスミドル
痒い所すべてに手が届く優れたカスタマイズに優れた操作性と剛性感を感じる防塵防滴と堅牢性、見やすいファインダーに使いやすいタッチパネル、5段分の手振れ補正にホコリ知らずのSSWF(センサーゴミ取り機構)と隙のないミドルクラスです。
同価格帯の他社ミドルクラスと比較しても負けている要素は一つもなく、望遠や深度の必要なマクロ撮影などでもまだまだ選ぶ価値のあるマイクロフォーサーズカメラとしてはイチオシの機種と言えますね。
ボディ単体の他14-140mm(換算28-280mm)の超便利ズームが合わせられたレンズキットもあります。
レンズキットは実売価格6万円のレンズが3万ちょっとの追い金でついてくるので非常にオススメ。
防塵防滴で軽量になり改善が加えらえたII型の14-140mmはフィールドフォト一眼の名前にもピッタリです。
僕はすでにいくつかレンズを持っていたのでボディだけ買いましたが、正直レンズキットを買っておけば良かったと後悔中です(笑)
G99と一緒に買っておくべきアクセサリー
幸い(残念ながら?)豊富なオプションはありませんので散財にはなりにくいのがLUMIXのメリットです(笑)
その中でもこれはあれば便利なアイテムを3つピックアップしました。
予備バッテリーとダブル充電器
G99はバッテリー1本で撮影枚数290枚(実際はもう少し撮れましたが)と少し心もとないのでバッテリーとダブル充電器のセットがあれば便利です。
純正と互換バッテリーで3つあれば動画撮影や2、3日の旅行くらいは問題ありませんね。
僕も愛用していますが互換バッテリーでもエラー等は表示されず、使用感は純正と変わりません。
液晶保護ガラス
お気に入りのORMY製0.2mmシリーズです。
ORMYはガラスの透明度が高くタッチパネルのレスポンスも良い上9Hと強度抜群なため保護フィルムの中でもイチオシです。
SDカード
動画やRAWをメインにする方には128GBがおすすめです。SDカードも安くなりました。
僕は基本的にG99ではスチルのRAW撮影がメインなのですが、マイクロフォーサーズRAWは1枚20MB程度と軽いので、128GBあれば5000枚以上撮影できます。動画ならFHD(1920×1080)60Pで約10時間撮れます。
最後に作例を…
作例というほどのものではないですが、僕が取ったお気に入りの写真を何枚か紹介して今回のレビューを終わりたいと思います。
近所のスタバです(笑)カメラを買ってすぐに撮りました。コンパクトさがウリの14mmF2.5単焦点を使用。
夕日の一枚。
夕日によりシルエットととなる建物や電線が好きです。
こちらも日没前に近所の公園の木を撮ったもの。シルエットと背景に写る交差した電線がお気に入り。
20mm F1.7は安いのにめちゃくちゃ良く写るレンズで静止画のスチルメインの方が最初に買う一本としておすすめです。
深い被写界深度と手振れ補正、深度合成機能などでマクロを楽しめるのもマイクロフォーサーズのメリットです。
マイクロフォーサーズはどのレンズも寄れるので他のフォーマットのカメラを使うと全然寄れねぇ~っと悲しくなります(笑)
緑の描写が美しいのがG9Proから変更された新型ヴィーナスエンジンの特徴です。
誇張しすぎないのに程良くコッテリ。記憶色と記録色のいい具合を付いているので大好きな色味です。
12-60mm F3.5-5.6はG99の先代G8のキットレンズですが中々侮れない描写です。パナのカメラはコントラストAFオンリーですが独自の空間認識テクノロジー「DFD」のおかげで、動体でも結構食らいつきます。
12-60mm F3.5-5.6 と合わせても780gと軽量なのでロードバイクや登山のお供にピッタリです。
これは琵琶湖で撮った写真ですが琵琶湖一周200km走っても肩回りは疲れ知らずでした。これはマイクロフォーサーズの大きなメリットですね。
この日は雨にも打たれましたが防塵防滴レンズ&ボディはやっぱり安心。
オリンパス 12-100 F4をレンタルして撮ったものです。
びびるくらいシャープな写りの良さに泣く(笑)レンズ重いけど。
マイクロフォーサーズはこういう使えるズームがゴロゴロしているのがまた嬉しい。
これは群馬の富岡製糸場。
暗いのでF1.7でもシャッタースピード1/60 secと遅めでしたが、解放で撮っても適度に深度が深くISOも下げられるため中々いい写りをしてくれます。
深度が深いフォーマットは大口径のボケみこそ楽しみにくいですが、解放を常用してもボケすぎて失敗なんてことが少なく、撮影時間の少ない旅行などでは逆に使いやすかったりします。
河口湖の富士山をオリンパスの単焦点で。
この写真はG99で撮った写真の中でもトップクラスにお気に入り。
軽量な単焦点との組み合わせは持ち運びスイスイ。いつでも旅行のお供に持っていけるため撮影旅行が楽しくてしょうがないです。
最後に僕が運営しているもう一つのサイト「雑食プラモ備忘ログ」で作製している模型の写真を。
マイクロフォーサーズは「寄れる」、「深い深度」、「手振れ補正」の3大特性により室内のミニチュアのブツ撮りなどにも最高に使いやすいです。
マイクロフォーサーズはそのセンサーサイズから4:3のアスペクト比が選べるので主題を強調させたい作品撮りには非常に向いています。
模型やテーブルフォトにマイクロフォーサーズは欠かせません!
軽快でいて使いやすいおすすめのカメラです
Panasonicのカメラは使えば使うほど撮影者のことを第一に考えた機能とインターフェイスを持っていることが実感でき、きっとPanasonicの開発部門には本当にカメラが好きな人がいるんだなぁ、と感心してしまいます。
家電屋のカメラなんて批判は全くの見当違い。
LUMIXのカメラほど撮り手に寄り添うカメラはないと断言して良いでしょう。
ハッキリっておススメです。
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