今乗っているディスクロード(LOOK 765 Optimum plus)のオンロード用ホイールにアレックスリムのRXD2という軽量アルミリムディスクホイールを使っているのですが、こちらのホイールのハブは6ボルト(6穴、6結ともいう)タイプとなっています。
6ボルトタイプは名前の通りローターを6個のボルトで固定する昔ながらの方式です。
現在シマノ、スラム、カンパといった主要ロードバイク用コンポーネントメーカーで主流なのはスプロケットを固定するロックリングと同じものを使ってローターを1点止めで固定するセンターロックという方式です。(スラムはまだ6ボルトが強いですが)
センターロックそのものはシマノが考案したもので、MTBではシマノ以外にはあまり普及しませんでしたが、固定がラクなことと見た目のスマートさからロードバイクでは幅広く採用されるようになりました。
そのためシマノのロード用コンポーネントは基本的にセンターロックローターを主として構築されています。
ここで問題なのは6ボルトタイプの140mm径ローターがシマノのラインナップにほとんどないことです。
ディスクロードには基本的に160mmタイプのローターが採用されますが、メーカーの味付けによってはリア側をコントロール性重視で140mmとしているところもあります。
僕の乗っているLOOKは基本的にどのバイクもフロント160mm、リア140mmとなっており、噂によるとリアに160mmローターのスペーサーを入れられないものもあるらしいです(未確認)。
折角新しいホイールを買ったのに6ボルトだとシマノに140mmローターがないだと…。というより2021年ロードバイクパーツの供給が悪すぎて160mmのローターすら買えません(笑)
とうことでネットの海を探して見つけてきましたよ140mmの6ボルトローターを!
ディスクローターも色々あって面白い!
BBB POWERSTOP DISC ROTOR(パワーストップディスクローター)
さがして来たのはこちら!!
型式:BBS
ローター径:140mm/160mm/180mm/203mm
初期ローター厚:1.7mm
備考:取り付けボルト付き
BBBってどんなメーカー?
BBBはオランダにある自転車パーツブランドです。
1999年には日本でもパーツが販売され、2004年にはパリルーベなどの実績あるレースでも結果を残すなど順調にブランドは成長しています。ツールドフランスにパーツを供給した実績もあり、ブレーキシューなどの消耗品からヘルメットなどの安全装備まで手広く手掛けています。
昔はあさひなどの少し専門性の低いお店などにもパーツが置かれており、少し安かろう悪かろうな印象がありましたが、最近のBBBはブレーキシューなどが高く評価されかゆいところに手が届く一流パーツブランドに成長しています。
ディスクブレーキ関連のパーツ開発にも積極的で、ブレーキマウントや互換パッド、ディスクローターなど幅広くラインナップされています。
ちなみにブランド自体はTTT(3T)と同様に「トリプルビー」と呼ぶらしいですが、僕は昔っから「ビービービー」と呼んでいて変えられません(笑)
パワーストップ ディスクローターのインプレッション
早速パーツの紹介といきましょう。ちなみに今回はフロント用に160mmローターも買いましたので一緒にインプレします!
重量測定
フロント用 BBS-112(160mm)
フロントのローターは取り付けボルトを含めて131gでした。
LOOK765 Optimum plus に付いてきたセンターロック用ローターSM-RT70M の160mmがロックリングなしで実測132gなので、ロックリングがない分BBBのローターのほうが有利ですね。
スプライン付きのアームがある分、センターロックは基本的に重量面で不利です
リア用 BBS-111 (140mm)
リアのローターは取り付けボルトを含めて117gでした。
ローターの基本的な形状や作りは同じなので、単純にローター径の差だけ軽くなった印象です。
LOOK765 Optimum plus に付いてきたセンターロック用ローターSM-RT70M の140mmがロックリングなしで実測120gなので、こちらもわずかにシマノローターより軽いです。
外観のチェック
さっそくアレックスリムのRXD2に取り付けてみました。
ちなみに付属のねじはT25トルクスねじなので工具をお持ちでない方は入手しておきましょう。トラスコのヘックスローブレンチがクオリティと安さのベストバランスなのでおすすめです。
トルクレンチとソケットがベストですけどね。
トルクスのほうが馴染み深い名前ですが、トルクスはアキュメント社という会社の登録商標となっており、同社のライセンスを受けているメーカーのねじ及び工具しか名乗れません。なので一般的に流通している工具のほとんどがヘックスローブと書かれていますが規格や形状はトルクスと同じものです。
我らが日本が誇るKTC(京都機械工具株式会社)はちゃんとライセンスと技術指導を受けており、ヘックスと名乗っています。さすが!
閑話休題。さっそく取り付けたディスクをアップで見てみましょう。
シマノのアイステックローターの奇抜(?)な見た目と違って無難なデザインとなっています。どちらかというとカンパ(マグラ)のようなシンプルな見た目のローターが好きな自分としては大歓迎。
シマノのローターは放熱性を高めるためにアルミ板にステンレス板を貼り合わせていますが、BBBのローターはステンレス一枚物をレーザーカットにて仕上げてあります。
確かにアルミサンドのローターは放熱性に優れておりレーシングユース向きですが、熱がかかると異種素材どうしの変形によるソリの影響か音鳴りがしやすいようです。
ディスクローター表面に3カ所丸いくぼみがあり黒塗りされていますが、これはローターの摩耗を確認できるインジケーターです。
これはディスクロード初心者の方でも安心ですね。上級者であっても簡単にローターの残厚を確認できて素晴らしいですね。
さらにディスクの端面はR状に面取りが施されてブラックペイント仕上げとなっています。面取りにより手で触っても怪我しにくく、黒塗装によりサビなどが出にくい配慮の効いたローターとです。
これこそかゆいところに手が届くBBBのモノづくり!
乗車インプレッション
早速乗ってみました!
シマノローターと全く変わらないタッチとフィーリング
完成車に付属してきたシマノSM-RT70Mローターと比較しても全く遜色ないタッチとフィーリングです。ブラインドテストしたら違いは判りません。
残厚インジケーターが大きめなのでローターのひっかかり感があったらどうしよう…などと思っていましたがそんな心配も杞憂でした。(よくよく考えたら高速回転するローターのわずかな段差なんて分かるわけないわな)
高速の下りでわずかに音鳴りした
上の写真は7/31に森掛川へライドした時の写真ですが、この時の下り最高速度は67km/hでした。
操作感が良いのでブレーキングを遅らせたりコントロールしたりと自由自在ですが、長い下りが続くと当て効き時にわずかに音鳴りがみられました。
ローターが高温になった影響によるひずみでパッドがコンタクトした際にビビったのが原因だと思います。
ただこれはそのままレバーを握り込んだら音鳴りがしなくなったので気にするようなこともないと思います。
SM-RT70Mはグラベル用ホイールに装備しているのでここまで熱負荷の高いハードブレーキングは行っていませんので絶対的な比較にはなりませんが、まだ音鳴りは経験していませんので、熱負荷的にはシマノローターのほうが有利でしょうか?
音鳴り以上に気になったのが最高速度67km/h(笑)リムブレーキロードで25Cの時にはこんなスピード出せませんでした。ディスクロードに乗り換えてワイドリム&30Cになったことで安心感が半端ないです。
雨でも安心!
掛川ライドの帰路、金谷峠(静岡県島田市)の下りでゲリラ豪雨のような雨に合いましたが、ブレーキ力の低下はわずかでした。
これはどちらかというとローターよりもディスクブレーキのシステム自体の優位点かと思いますが、雨の日でも制動力が落ちにくく高いコントロール性があるのは素晴らしいです。
もうリムブレーキには戻れません…
6ボルトローターの救世主です。リプレイスとしての使用もおすすめ。
6ボルトディスクローターの140mm径がシマノにないという理由で導入したBBBパワーストップですが、使用感は遜色なく、重量はわずかに軽く、インジケーターなどのメンテナンス性にも優れているのでとても満足のいく製品でした。
6ボルトタイプの140mmをお探しの方にはイチオシですし、超軽量や妙な社外品も多い6ボルトタイプのローターの中でも安心感やトータルバランスを重視したい方にもお勧めです。
ローター自体の値段も安いのでリプレイス(交換、補修)用にもおすすめですよ!
今回のインプレに使用したアレックスリムのRXD2は30mmハイト内幅19mmのアルミリムでありながら前後で1475gの超軽量。
お値段も値上げしまくりのシマノ、カンパ、フルクラムより圧倒的に安く、弱虫ペダルサイクリングチームがレースでも使用する傑作ホイールです。もちろんチューブレスレディ対応!