富士フイルムの広角単焦点レンズ XF18mmF1.4 R LM WRのレビューです。
2021年5月27日に次世代Xマウント機に対応する新世代単焦点レンズシリーズの1発目としてリリースされた、35mm換算27mmの相当の画角を持つ広角レンズです。
今後高画素化を予定しているフジXシリーズのボディ性能に見合った性能を得るため、徹底して収差を押さえ込み解像感を向上させた光学性能全振りの本モデル。今回はカメラレンタルのサブスクリプションサービス「GOOPASS」さんよりレンタルしてみました。
重量や使用感、カメラに取り付けた時に見た目などをたくさんの作例と一緒にレビューしたいと思います。
いやこれもうほんと良いレンズですよ!
FUJIFILM フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR レビュー
レンズスペックチェック
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 18mm(35mm換算 27mm) |
F値 | F1.4~F16 |
最短撮影距離 | 20cm |
最大撮影倍率 | 0.15倍 |
画角 | 76.5° |
最大径×長さ | 68.8×75.6mm |
構成レンズ枚数 | 9群15枚 |
絞り羽枚数 | 9枚 |
フィルター径 | 62mm |
重量 | 370g(カタログ値) |
鏡筒材質 | 金属 |
防塵防滴 | 有り、-10℃耐低温構造 |
付属品 | 前後キャップ、レンズフード、ラッピングクロス |
レンズ型式のXFがシリーズ名、18mmが焦点距離、F1.4が解放F値、Rが絞りリング有、LMがリニアモーター駆動AF、WRが防塵防滴ということを示しています。単焦点レンズとしてはフルスペックの表記になっています。
外観チェック
新世代の写りを追及するために9群15枚の構成となった本レンズは、Xマウント初期に発売された同画角のパンケーキレンズXF18mmF2(7群8枚)と比較すると超大型化(笑)。
明るさも1段アップで明確に性能向上はしていますが、Xマウント初期の軽量コンパクトレンズ達と比較するとやや大柄な印象。定番の標準ズームレンズXF18-55mmF2.8-4よりも大きいです。
従来のF1.4シリーズに採用されていたフォーカスクラッチは廃止されデザイン上はよりシンプルな見た目になりました。
次世代高画素機の性能を生かすためにはAF精度がかなり重要とのことで、新世代レンズではフォーカス精度が低いクラッチは採用しない方向のようです。
オールドレンズライクな見た目ではなくなり従来のファンとしては残念な気もしますが、そういう方はコシナのノクトンシリーズなどの楽しいMFレンズが出てきていますので、そっちを選んでもらった方が良いかと思います。(ノクトンのヘリコイドは気持ちいい)
クラッチが無くなった分ピントリングが大きくなり操作性は良好。XFレンズらしい高品質な金属鏡筒と黒塗装は所有感もなかなか良いです。
レンズフード
性能重視の花形のレンズフードが付属しますが、それを付けるとさらに立派な姿に。
フード自体はとてもカッコいいので取り付けた姿は中々好みですが、Xシリーズのカメラに合わないと思う方もいると思います。そんな方にも朗報なのがちゃんとF1.4シリーズおなじみのメタル角型フードも用意されている点。フジユーザーの皆様、安心してください。
でもメタルは重いし現代レンズなので花形フードで良いと思う(笑)
フードはバヨネット式でもちろん逆付け可能。
剛性不足なのかバヨネット溝が良くないのか、付けにくくて外れやすいと悪評高い富士のレンズフードですが、最新レンズということもありXシリーズのレンズの中で最も付け外ししやすいフードになっている点はマル。
フード自体にはロック機構などはありませんが、個人的にフードにロックボタン等はいらないのであまり気になりません。
前玉
さすが最新F1,4、前玉が大きいです。
前玉自体は少し奥に存在しているので指で触れにくい点は良いですね。
フィルター径は62mm、同じ新生代シリーズとして発売されたXF23mmF1.4 R LM WRやXF33mmF1.4 R LM WRのフィルター径が58mmなのでそこは何とかして統一してほしかったとは思うところ。
保護フィルターは折角ですからそれなりのものを買っておきましょう。マルミのEXUSはベテランカメラマンからの評判も高い高性能フィルターです。
絞りリング
最大絞りがF16までなのは従来のXF単焦点レンズと同じです。最近のレンズは開放からピークの解像度を狙っていくレンズが多いし、APS-Cレンズの回折を考えるとあまり絞れても意味がないのでF16で困ったことはありません。
今回の新世代単焦点シリーズからは絞りリングにロックボタンがあり、Aモードでリングを固定することが可能になりました。
現行のX-S10や次期発売が噂されているX-H2では、他社カメラと同じモードダイヤル操作がメインなためか、絞りリングをAで固定して使うユーザーが多いそうで、ロックボタンが設けられたそうです。
絞りリング多用派の自分としてはこの機能に必要性は感じませんが、フジの単焦点のリングは緩く回りやすいので、Aモード固定派の人にはありがたい機能だと思います。
重量チェック
いろんな状態で重量を測ってみました。
レンズ本体のみ
前後キャップとフィルターを外し、単純にレンズの重量のみを測った状態です。
364gでした。
カタログ上は370gなのでわずかに軽いです。フジは基本的にカタログ通りの重量が出るイメージなので置き方の問題かもしれません。
レンズフード
24gでした。
至ってフツーの重量です。広角から標準画角のフジノンレンズのプラフードは30gいかない範囲で納まるものが多いですね。
F1.4のメタルフードシリーズは40gを超えてくる上、当てたりすると塗装が剥がれたりするのでよほど好みでない限りは性能も良いプラフードがおすすめです。
自分はXF23mmF1.4Rはダサすぎて角型メタルフードにしたけどね
本体+フード+保護フィルター
レンズフードと前玉を保護するレンズ保護フィルターを取り付けた重量です。
409gでした。
フィルターの実測値が21gだったので、364+24+2=409と測定値ぴったりです。ということで今回のレンズはカタログ値より軽めでした。
単焦点レンズで400g越えは中々…と思いましたが、フルサイズF1.4の単焦点と比べれば重さもサイズも全然小さいですし、ボケ量基準でフルサイズF1.8と比較したとしても、重量こそ重いもののサイズ感はそれほど大差ない感じですね。(個人的にボケ量でF値を換算してレンズの優劣を語る風潮は嫌いなのですが)
まとめると、APS-CのF1.4のレンズで金属鏡筒と防塵防滴、-10℃までの耐寒性能を有しているレンズとしては十分合格点の重量かと思います。
可搬状態
レンズフード、前後キャップ、フィルターを取り付けた持ち運び状態。一番重い状態ですね。
437gでした。
フロントキャップが16g、リアキャップが12gといった重量です。
個人的には旅行などでズームレンズと後1本持っていくとした場合に許容できる上限重量ですかね。
X-T4と合わせてみました
愛用のX-T4にレンズを取り付けてみました。
とってもベストバランス
X-T4と合わせた場合ちょうどいい全長と太さに感じます。フードも似合っていると思いますね。
というこはX-T2桁やX-S10、X-Eシリーズなどには少し大きめということです。これらの中級機にはやっぱりF2のコンパクトプライムシリーズの方が似合うと思います。
上から見た図。
新世代XF単焦点シリーズでは従来のF1.4シリーズより鏡筒をわずかに細く、その分全長を伸ばす設計に変えてあるので、レンズ自体の操作性や持ちやすさは非常によろしいです。
持ってみた
それなりに重量は感じますが、普段使っているXF16-80mmよりレンズの重い部分が根本側なのか、めちゃくちゃ重いとは感じません。
普通に散歩や登山、自転車のライドで持っても違和感なく使えると思います。レンズ全長が長くなったので両手で構えやすく、持った時はより軽く感じると思います。
撮影重量チェック
ということでX-T4にマウントした際の重量を測ってみました。
1023gでした。
ボディがハイエンド機とはいえAPS-C単焦点で1kg越えか~と思わなくもないですが、きっと良い写りなんでしょう。そうじゃなかったら泣く(笑)
ということで次ページから作例と一緒に画質レビューをしていきましょう!
新世代レンズの写りはいかに!?