Lマウントの望遠ズームレンズ パナソニック LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.のレビューです。
パナソニックのキャッシュバックキャンペーンにつられて買ってしまいました。
70-300mmは各社から発売されており、どのメーカーもエントリー望遠ズーム的扱いですが、LUMIXの70-300mmは描写にスペックも抜かりないエントリーとは言えないクオリティに仕上がっております。
早速レビューしていきましょう。
LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S. レビュー
レンズスペックチェック
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 70-300mm |
F値 | F4.5-5.6 |
最短撮影距離 | W端70mmで54cm、T端300mmで74cm |
最大撮影倍率 | 0.5倍 (T端) |
画角 | 34~8.3 度 |
最大径×長さ | 84×148 mm |
構成レンズ枚数 | 11群17枚 |
絞り羽枚数 | 11枚 |
フィルター径 | 77mm |
重量 | 790g(カタログ値) |
防塵防滴 | 防塵・防滴・耐低温性能アリ |
レンズスペックをざっと確認しても際立つところはW端54cm、T端74cmまで寄れるマクロ性能ですね。
T端の最大撮影倍率は0.5倍とハーフマクロの性能を持ち、植物や小物撮影にも活躍する便利望遠ズームとなっています。
LUMIXのLマウントズームはどれもやたら寄れる性能を持っていて、もうセンサーが大きいと寄れないとは言わせませんね。
外観チェック
ハンズオン
フルサイズのエントリークラス(この値段でエントリーとは言いたくないですが)望遠ズームレンズとして標準的なサイズ感です。
レンズの仕上げはシボ感のある塗装となっており質感は良く、ズームリングやフォーカスリングはゴム巻き、それぞれのリングは段差を設けてあるLUMIX S シリーズレンズ共通の仕上げとなっています。
ごちゃごちゃした機能はなくシンプルなデザインで末永く使って行けるレンズかなと思います。
レンズはズーミングに合わせて全長が可変するタイプでインナーズームではありません。
ズーミングは非常に軽いため、フードを掴んで直進ズームをすることも可能です。
レンズの重心設計が良いのかズームをしてもフロントヘビーには感じにくく、適度に太い鏡体のため持ちやすさも悪くありません。
ズームリング、フォーカスリングともに溝入りのゴム巻きで、それぞれで直径を変えてあり操作がしやすいです。ただこのゴムリングはホコリやゴミが付きやすいのはちょっとした難点です。
ちなみにF値はズームに合わせて4.5~5.6と変化していきますが、数値の上昇はズーミングに合わせてリニアに増加していき、約260mm付近でF5.6となります。
前玉
非球面レンズや色収差を抑えるためのUED(特殊超低分散)レンズをふんだんに使った贅沢な設計です。
前玉はコンパクトですがフィルター径は77mmとしており、同社のLUMIX S 24-105mm F4と同じとなっています。
PanasonicのLマウントレンズはフィルター径をなるべく揃える設計思想となっているので購入するフィルターが少なくて済むのは地味なメリットです。
フィルターはいつものハクバXC-PROを用意しておきました。
LUMIX S 24-100mmも詳細なレビュー記事がありますのでぜひお読みください。
後玉
後玉側はLUMIX S シリーズおなじみの角型カットが入っています。
手振れ補正機構が入っているためレンズを揺するとカタカタ鳴りますが故障ではありませんのでご心配なく。
各種スイッチ
レンズサイドには4つのスイッチが設けてあり、上からそれぞれ「フォーカスリミッター」「AF、MF切り替え」「手振れ補正ONOFF切り替え」「ズームロック」となっています。
スイッチはそれぞれ形状が変えてあるので手触りを覚えておけばブラインドで操作が可能です。こういう配慮がLUMIXの地味ながらもニクイところです。
ただ、フォーカスリミッターは全域と3m~無限遠の切り替えとなっており、マクロ域を選択することができません。
せっかくのハーフマクロですから最短撮影距離から3mのスイッチがあればネイチャーフォトや花撮りの方にも訴求できたのになぁと思います。
ズームロックスイッチは70mmの状態でズームが伸縮しないように固定するスイッチです。
このレンズはズーム操作が軽いため、下向きにすると自重で簡単に伸びてきます。ピークデザインのキャプチャーなどでレンズを下向きにマウントして山歩きなどをするときにロックスイッチの使用は必須です。
正直盲腸ズームが硬くても良かったと思います。
レンズフード
望遠ズームらしいレンズフードが付属します。
パナソニックSレンズのフードはすべてロックスイッチ付きでカチッとガタなく決まる気持ち良いものです。
本体とフード逆付け状態の比較。
レンズフードが細いのでフードを含めた直径は24-105mmよりも細いのが特徴です。レンズポーチはHAKUBA 110-180 がピッタリでした(⇓)
レンズ重量チェック
レンズ単体の重量
レンズ単体の重量は795gでした。
カタログ値は790gなので若干重いですがまぁ誤差範囲でしょう。
同様のスペックを持つフルサイズミラーレスレンズは実は少なく、ソニー FE 70-300mm F4.5-5.6が近いものになりますが、あちらは854gと結構重めです。ソニーはボディこそ軽いですがレンズは少し重めなものが多いですね。
レンズフードの重量
レンズフードの重量は65gでした。
LUMIX Sシリーズのレンズはどれも樹脂製で軽いです。個人的には金属より樹脂フード派なのでこのほうが歓迎。
レンズフロントキャップの重量
レンズフロントキャップは23gでした。
フロントキャップは24-105mmと共通です。
レンズリアキャップの重量
レンズリアキャップは12gでした。
以上より、レンズ可搬時の重量は795g+65g+23g+12gで895gとなります。
LUMIX S5に装着
フード無しの状態では割とちょうどいいバランスに感じます。
個人的にLマウントのマウント径はフルサイズミラーレスにはベストバランスの径だと思っているので、レンズのデザインも綺麗に仕上がっているものが多いと思います。
フードを付けると一気に存在感が上がりますが、フルサイズ望遠ズームの見た目としてはコンパクトな方だと感じます。
どちらかというとフードを付けるとボディが浮く方が気になります。
上位モデルのLUMIX S1だとこんなことは起こらないと思いますが、あっちはボディが大きくて重いですからね(笑)
ちなみにレンズとフードとボディを合わせた重量は795g+65g+714gで1574gです。
マイクロフォーサーズでレンズ交換式カメラを始めたときは1kgどころか800gでも重いと思っていましたが、今では倍の重量を支えるようになりました(笑)
だからと言って重くてやってられないとはならず、こんなもんかと思ってしまうあたり慣れってほんと怖い(笑)
最近ではこれくらい重いほうがやる気出るなとか思ってますw
フルサイズ望遠ズームの中では軽いほうなので、望遠初心者の方でもおすすめしやすいレンズかと思います。
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