富士フイルムの超広角単焦点レンズ XF14mmF2.8 R Rのレビューです。
2013年1月19日発売と、Xマウントの単焦点レンズとしては比較的古い(XF18、35、60に次いで4番目)ものになりますが、そのレンズ設計と写りの良さは現在でも一級品の1本です。
コンパクトさを優先しレンズ自体の明るさがF2.8と控えめなせいかあまり話題にならない本レンズですが、今回はカメラレンタルのサブスクリプションサービス「GooPass」さんよりレンタルしたので、重量測定や使用感を作例などを交えてご紹介しますよ。
キーワードはゼロディストーション
FUJIFILM フジノンレンズ XF14mmF2.8 R レビュー
レンズスペックチェック
- 焦点距離:14mm(35mm換算21mm)
- 解放F値:F2.8
- 最短撮影距離:18cm(最大撮影倍率:0.12)
- 画角:90.8°
- 最大径×長さ:65×58.4 mm
- 構成レンズ枚数:7群10枚
- 絞り羽枚数:7 枚
- フィルター径:58mm
- 重量:235g (フードとキャップを除く)
- 鏡筒材質:金属
- 防塵防滴:無
- 付属品:前後キャップ、レンズフード、ラッピングクロス
レンズ型式についてですが、XFがシリーズ名、14mmが焦点距離、F2.8が解放F値、Rが絞りリング有ということを示しています。
また型式表記にはありませんが、本レンズはステッピングモーター駆動によるAFとなっており、Xマウント単焦点によくある全群繰り出し式ではありませんのでAFスピードも速くなっています。
外観チェック
外観を眺めていきましょう。
超広角単焦点レンズですが非常にコンパクトなサイズとなっています。
絞りリングとフォーカスリングがある標準的なXFレンズですが、フォーカスリングには瞬時にマニュアルフォーカスモードに切り替えられるフォーカスクラッチ機構も搭載しており、スナップで瞬時にフォーカスを変えたい場合や、星景写真でピントを追い込みたい場合などにも便利です。
ま、AF時代に生きる僕はこの機能使うのちょっと苦手なんですけど(笑)
35mm換算21mmなので前玉は球状ではなくサイズも小さめです。
そのためフィルターを使用できるのは大きなメリット。
広角レンズの場合保護フィルターはもちろん、NDやC-PLを使ったフィルターワークにも挑戦したいですからね。
ちなみにフィルター径は58mm。中級クラスで良いので保護フィルターは初めから買っておきたいところです。
絞りリングの操作感は軽めですがチキチキと子気味良い感触はGOOD。
リングの硬さは好みが分かれるところですが、自分は軽めなほうが好きなので丁度いい感じです。
フォーカスリングも同様に軽く、ピントをシビアに追い込みたい方には少し使いにくいかもしれません。
ただ焦点距離や明るさからくる被写界深度を考えると、そんなにピント合わせもシビアなレンズではありませんからあまり神経質にならなくても良いかと思います。
クラッチを引くと距離指標が現れマニュアルモードに早変わり。クラッチ使用時の操作はリングの軽さも相まって非常に早い操作が可能です。
レンズを買うと花形のレンズフードが付属してきます。
このフードは富士フィルムの標準ズームXF18-55 F2.8-4.0に付属するフードと同じもの(RLCP-001)ですね。
そのためフードには18-55の他14の表記も入っています。
このフードって意外と広角側への許容が大きいんですね。
ということでフードを取り付けてみました。バヨネットなのでひねるだけで取付可能。
このフードは意外と全長があるのでコンパクトさスポイルされる上、正直お世辞にもカッコいい姿とは言えないのですがレンズ保護を考えると仕方ないですね(笑)
ちなみに逆付けもして収納ができますが、めっちゃくちゃ付けにくいです(笑)中々気持ちよくはハマりません。
全体的なビルドクオリティは高く、所有感は高めのレンズかと思います。
XF35mm F1.4は角型レンズフードを取り付けた場合のデザインを重視するため、フードを外した時の先細ったバヨネット部の見た目が妙にダサいのですが、こちらのレンズはそんなことはありません。
XFの単焦点、特にF2.0シリーズはX-PROシリーズのファインダーでも使いやすいように先細りデザインになっているものが多いですが、やっぱり先端が太くなるデザインの方がカッコいいですね(個人の感想です)。
重量チェック
レンズ保護フィルター、レンズフードを取付、リアキャップを外した「一般的に使われる状態」にした時の重量は269gでした。
さすがにマイクロフォーサーズ単焦点の重量にはかないませんが、金属筐体のAPS-Cレンズとしては十分軽く、そのコンパクトなサイズからいつでも鞄に入れておけるレンズと言えますね。
特に広角レンズは普段自分の行動範囲ではなかなか使いどころが難しいですが、旅行や登山なのでは用意しておきたいもの。
それならコンパクトなほうが断然ありがたいですよね。
出張でXF16-80mmと一緒に持ち歩きましたが、一緒に鞄に入れておいても全く重さが気になりませんでした。
X-T4と組み合わせてみました
メインで使っているX-T4に本レンズを装着してみました。
X-T4のボデイサイズにはまさにベストマッチといったところ。
T4のボディ重量もありレンズが前傾することもなく、持っていても重いとは感じません。
X-S10やX-PRO3などでも使いやすいサイズ感だと思います。(PROシリーズだとOVFファインダー使用時にケラれると思いますが)
丁度よい全長のため、絞りリング、フォーカスリング共に操作しやすいです。
X100Vはレンズが短く絞りリングがちょっと操作しにくいなぁ…と思っていたのである程度のレンズ長は必要なんですね(笑)
フードを付けた状態はこんな感じ。
なぜかレンズレビューの記事やサイトってフードを付けない写真しか載せられないのが疑問なので、当ブログはちゃんとフード付きの外観もご紹介(笑)
使う時はフード使うじゃん!
レンズ単体だと少し残念でしたが、装着時の見た目は結構カッコいいですね。
ちなみにX-T4にバッテリーとカード2枚、写真のピークデザインアンカーリンクスを付けた状態にこのレンズを合わせた総重量は「615g+269g=884g」と非常に軽く、お散歩などで持ち歩くにも丁度いいです。
ということで外観レビューはこんなところにして撮影写真紹介といきましょう。
作例など
出張で大阪に行ったのでその時の夜景スナップを中心に紹介します。
本レンズは「ゼロディストーション」をうたっています。
レンズの光学設計により極限まで歪曲収差を抑えゼロに近づけたレンズをゼロディストーションと言います。
そのため建物や都市部などと言った人工物を広く撮るのに最適なレンズと言えますね。
この写真のようにレンガなどを撮影しても歪み泣く非常に気持ちの良い描写が特徴です。
なのでついついこういう広がりがある一直線の構図を撮ってしまいます(笑)
おそらくある程度はデジタル補正が入っているとは思いますが、僕はデジタル補正でレンズがコンパクトにできるならそっちの方がいいのでオールOK。
こちらは解放F2.8での描写です。
ピントは手前の自転車に合わせていますがほぼボケ感のない描写です。
やっぱりAPS-Cフォーマットということもありボケは期待できませんが、スナップや旅行だとむしろボケない方が嬉しいので積極的に解放から使っていけますね。
こちらの写真は解放F2.8、SS 1/10 、ISO3200で撮影しています。
X-Trans CMOS4のセンサーは高感度描写が非常に良好で、それに加えてT4は手振れ補正がありますからスローシャッターでも安心。
それに加えて優れた光学系を持つ本レンズがあれば建物も非常にシャープでビシっと決まります。
三脚がないので手持ちでしか撮れなかったのですが、こういう写真は絞ってとりたいですね~。
ビルの直線や周辺の描写もいい感じ。
広角レンズは周辺描写に難点があったりするものですが、単焦点ということもあり非常にクリアな写りです。
町中に突如神社が表れたりするのが都会の面白いところ。
歴史を感じる瞬間です。奥の建物細っ(笑)
グイっと被写体に寄ってみました。
18cmまで寄れるのでフードに当たるくらいの位置まで寄ることができます。
寄れるレンズの少ないフジノンレンズシリーズの中では比較的寄れるレンズなので、テーブルフォトなんかにも良いですね(広角による被写体歪みは抜きにして)。
色々撮ってみましたがやっぱり楽しいのはビル群ですねぇ。
使いどころが難しいフイルムシミュレーション「エテルナブリーチバイパス」と合わせてみました。
なんというか都会派レンズですね。地元(静岡)に戻って使ってみましたがやっぱり難しかったです(笑)
描写もシャープで色のりも良し、風景から建物まで何を撮っても楽しいレンズです。
広角レンズはいまいち歪みが気に入らず好みではなかったのですが、このレンズを使ってとても好きになりました。
やっぱり広角レンズは単調ですがこの奥行を感じる構図が好きですね。
スナップレンズとしてバシャバシャ都会を撮り歩くのが楽しい遊び方だと思います!
写りよく使いやすい、XF単焦点の隠れた銘レンズ
XF単焦点の中ではいまいち知名度も人気もない本レンズですが、標準ズーム(XF16-80mmなど)と合わせても焦点距離被りがなく表現の幅が広げられますので非常にオススメですよ。
ダイナミックでシャープな描写はXF最初の単焦点にもおすすめです。
僕はとても気に入りました!
広角の使い勝手を試したり、本レンズの写りの良さを味わってみたい方、まずはGooPassレンタルで借りて見られてはいかがでしょうか?
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