富士フイルムの広角単焦点レンズ XF23mmF1.4 Rのレビューです。
2013年10月12日発売と、フジノンレンズの中では初期型のレンズですが、その描写力や質感が高く評価されていました。
残念ながら2022年2月24日、新型レンズXF23mmF1.4 R LM WRの発売と同時にディスコンとなってしまいましたが、そのしばらく前からお求めやすい価格で在庫が販売されており購入してみました。
レビューの前に一言述べると、レンズの写りや表現力は素晴らしいの一言です。
気になる方はカメラレンタルのサブスクリプションサービス「GOOPASS」さんでレンタルされてみてはいかがでしょう?
重量や使用感、カメラに取り付けた時に見た目などをたくさんの作例と一緒にレビューしたいと思います。
高い表現力は日常スナップから作品撮りにも大活躍
FUJIFILM フジノンレンズ XF23mmF1.4 R レビュー
レンズスペックチェック
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 23mm(35mm換算 35.5mm) |
F値 | F1.4~F16 |
最短撮影距離 | 28cm |
最大撮影倍率 | 0.1倍 |
画角 | 63.4° |
最大径×長さ | 72×63mm |
構成レンズ枚数 | 8群11枚 |
絞り羽枚数 | 7枚 |
フィルター径 | 62mm |
重量 | 300g(カタログ値) |
鏡筒材質 | 金属 |
防塵防滴 | 無し |
付属品 | 前後キャップ、レンズフード、ラッピングクロス |
レンズ型式のXFがシリーズ名、23mmが焦点距離、F1.4が解放F値、Rが絞りリング有ということを示しています。
外観チェック
解放F値F1.4と明るいレンズでありながら、初期の富士フイルムレンズらしく小型に仕上げられています。
最近は光学性能を追求して大きくなったレンズが増えてきたXマウントですが、やはり当初の小型軽量コンセプトは良いですね。
鏡筒や各種リングはすべて金属でできておりビルドクオリティは良好。所有感は高めのレンズです。
このレンズは絞りリング、ピントリングに加えてマニュアルフォーカスクラッチが付いているのがポイント。
本体上部の数字が刻まれた部分のことでクラッチリングを引くと瞬時にマニュアルフォーカスモードにチェンジできます。距離指標と被写界深度指標が刻まれておりオールドライクな操作が味わえます。
ただしクラッチを操作しないとMFリングを動かすことができません。
オリンパスのレンズはクラッチでMFモードにしなくともMFリングは回せ、半押しAFからMFリングでピントを追い込むことができましたが、本レンズではカメラがAFモードでクラッチを操作すると、半押しAF状態でピントの微調整が可能になり、カメラをMFモードにしてクラッチを操作するとMFモードオンリーで操作が可能です。正直そんなに使いやすくはありません。
F1.4らしく前玉は大きめです。インナーフォーカス式なので富士フイルムに多い全群繰り出し式レンズと違い、オートフォーカスが早くAF駆動音が小さいです。
純正レンズフードはめちゃくちゃダサいので交換必須
花形フードが付属しますが、これがまぁダサいです。
富士フイルムのオールドライクデザインのレンズとも本体ともマッチしない不細工な花形。これは使うのがためらわれます。
ご安心ください。そんな富士フィルム養分…じゃなかったファンのために角型フードがオプションで用意されています。
23mm専用にアルミ切削加工で作られたフードは質感バッチリ。そうそうやっぱりフジのレンズは角型フードですよ。これめっちゃ高いけど(笑)
角型フードを取り付けると先ほどの残念ルックはどこへやら…とても精巧な姿になりました。所有感も益々アップです。
フードは金属製ということもあり本体55g、キャップ9gで計64gとそこそこ重いです。
ダサい純正花形フードは22g…その差33gと中々見逃せない重量差がありますが、この重量差以上にこんなカッコ悪いフードは使いたくないので我慢しましょう(笑)
機能面で見るとキャップはスライド式で取り付け、取り外しがしやすく使いやすいのがメリット。
デメリットは高くて重くて逆付けできないことですが、トレードオフで得られるカッコよさには代えられません(笑)
本レンズを買われる方はぜひ一緒に買っておきましょう。
レンズフードを角型にする場合はレンズ保護フィルターは薄めのものを用意しましょう
XF23mmの角型フードは内径がきつくレンズ保護フィルターが厚いと取り付けできない場合があります。
僕は上記のHAKUBA 62mmフィルターを一緒に買いましたが、少しきついものの問題なく取り付けできました。
単焦点の中ではそこそこ大きめ
フード付きの状態で手持ちのレンズを並べてみました。左からXF16-80mmF4、真ん中がXF23mmF1.4R、右がXF35mmF1.4Rです。
神レンズと呼ばれるXF35mmF1.4Rは写りも素晴らしいですがその見た目のコンパクトさと軽さも素晴らしいです。
XF23mmはやや大きめのサイズ感ですが、XF18mmF1.4、新型XF23mmF1.4、XF33mmF1.4の新世代レンズと比較すると全長が短く持ち運びしやすいです。
重量チェック
いろいろな状態で重量を測ってみました。
レンズ本体のみ
前後キャップとフィルターを外し、単純にレンズの重量のみを測った状態です。
298gでした。
カタログ上は300gなのでわずかに軽いです。まぁ誤差の範囲ですね。
本体+フード+保護フィルター
角型レンズフードと前玉を保護するレンズ保護フィルターを取り付けた重量です。いわゆる撮影可能状態ですね。
369gでした。
重量の内訳は本体298g+フード55g+フィルター16g=計369gです。昨今のレンズはどれも重いのでF1.4クラスのレンズとしては十分軽い範囲ではないでしょうか。
持ち運びの際はスライド式レンズキャップ9g、リアキャップ12gが追加されて計390g。
400gを切り全長もそこそこ短いのでバッグにも納めておきやすいと思います。
X-T4に合わせてみました
愛用のX-T4にレンズを取り付けてみました。
太めの鏡筒がとてもカッコイイ
X-T4と合わせてみるととても素晴らしいサイズ感。バランスが良く美しさすら感じます。角型フードも必須ですね。
というこはX-T2桁やX-S10、X-Eシリーズなどには少し大きめということです。
高性能になった新型F1.4シリーズは鏡筒が細く全長が長くなってしまったので、X-T4にはいいけどX-Proシリーズにはちょっと合わないかなぁと思っていましたが、流石は初期発売のレンズ、Proシリーズへのマッチングも最高に良いと思われます。
撮影重量チェック
ということでX-T4にマウントした際の重量を測ってみました。
981gでした。
なんとか1kg切りを達成。桁が一つ減るだけで軽く感じるものです(笑)
フードやフィルターを外せばX-T4でも920g程度まで軽量化できるので、持ち運びやすさは十分と言えるでしょう。
次ページから作例紹介!
次ページから作例と一緒に画質レビューをしていきましょう!