ロードタイプのシューズとビンディングペダル(いわゆるSPD-SL)を10年以上使ってきましたが、もう競技レベルや速く追い込むような走りをしなくなってきましたので、歩けるビンディングシューズ(いわゆるSPD)に買い換えました。
SIDIの2020-2021年モデルのMTBシューズです…ってロードに乗るのにMTB?
いやいや、これは新作のグラベルシューズなんですよって。
ということで今回はSIDIの新作シューズ「MTB GRAVEL」を開封インプレッション。
SIDI ってどんなメーカー?
SIDI(シディ)は1960年にイタリアヴェネト州トレヴィーゾ県マゼールに誕生したシューズメーカーです。
創業者のDino Signori (ディーノ・シニョーリ)氏の姓、名の頭2文字を取ってSIDIと名付けられました。
自転車ではロードバイクからMTBまで幅広いジャンルをカバーするシューズ作りが人気ですが、どちらかというとMotoGPのスポンサーということもありバイク用ブーツのほうが知名度としては高いですね。
SIDI MTB GRAVEL
さて本題に戻って今回買ったSIDI MTB GRAVELの紹介です。
外観
クリートが2穴タイプということもありジャンル上はMTBシューズとなっていますが、外観はぱっと見ロードシューズのそれに近いです。
本国ではブラック/ブラウンのカラーラインナップもありますが、国内では上の写真のブラック/ダークグリーンのみの展開となっています。
渋めのシューズデザインが幅広いウェアに合わせやすくていい感じです。
Tecno 3 system
テクノ3システムというダイヤルを回すことでワイヤーを締め上げる機構を採用したシューズとなっています。いわゆるBoAというやつですね。
半円形状のレバーを持ち上げるとワイヤーを緩めるモードになり、その状態でレバーを回すと締め上げることができます。
ポリテックス・スウェード アッパー
ポリテックス・スウェードというアッパー素材が採用されています。
ポリテックスは異なる素材をレイヤー状に重ねて、ポリ塩化ビニルと組み合わせたものです。実際のスウェードに比べるとケバ感は少なくなめらかな触り心地で、ロードシューズの質感とはまた違った感じで高級感もあります。
この素材は引き裂きにも強く耐久性が高いとのことです。
同社のMTB SPEEDというシューズと同グレードですが、こちらのほうが生地全体にベンチレーション(穴)が設けられ、防水性よりも通気性が重視されています。
インソール
インソールは一般的なものでやや薄めです。
僕は基本的にシューズへ不満は抱きにくい体質なので、インソールを交換したことはこれまでないのですが、もしインソールを交換される方はいつも使っているシューズよりハーフサイズ上げたほうが良いかもしれませんね。
くるぶしの外側には「DEFFENDER」と書かれたラバーパッドが貼られていて、グラベルで不意に足をついた時や、出先で歩くような時でも足首を守れるデザインになっています。
こういう配慮はロードシューズはもちろんMTBシューズでもあまり見かけないので、歩きも伴うグラベル&ツーリングシューズとしては良いですね。
かかと面
シックなデザインですが裏面はいつものSIDIデザインです。
SIDI heel cap という補強されたヒールカップのおかげでペダリング時の足を最適な位置に保持します。
MTB コンペティションソール
レースでの使用も視野に入れたシューズなので、中級グレードのMTBコンペティションソールが採用されています。
MTBコンペティションソールは効率的なペダリングのために適度な剛性を保ちつつも歩行まで考慮された作りとなっており、別売りのスパイクを取り付けることもできます。
ロードシューズのソールと最も違う点といえば歩けるようにゴム製のスパイクが付いているところですが、そのほかにも2穴クリート専用設計となっていたり、ロードシューズでは良くあるソール裏のベンチレーションはこちらのモデルにはありません。
足裏ベンチレーションは確かに快適ではありますが、冬のライドではそこから冷たい風が入って超ツライ時もあったりするので、こちらのほうがオールシーズン向きのシューズと言えます。
箱、中身
僕は足がそんなに大きくないのでユーロサイズ41(25.5cm)を買いました。
サイズは「38-38.5-39-39.5-40-40.5-41-41.5-42-42.5-43-43.5-44-44.5-45-46」のラインナップとなっており、幅広いサイズの方にマッチングします。
箱にはシューズと取扱説明書のシンプルな構成です。
インプレッション!
購入してから500kmほど乗ってみました。
ちなみに合わせているシューズはシマノのPD-ES600という最軽量片面SPDペダルです。当ブログに重量測定や外観チェックをしたレビュー記事がありますので気になる方は読んでみてください。
ソールはロード用に比べて柔らかめで乗りやすい
このシューズの前はシマノSPD-SL向けシューズである「RP5」を使っていました。
RP5はクリート取り付け面のみカーボン製のミドルグレードシューズですが、そちらと比較すると少し柔らかめのソールという印象です。SIDI MTB GRAVELはカーボンソールではないので当然といえば当然ですかね。
かといって踏み面でパワーロスしている印象もなく程よい剛性のソールを持ったシューズと言えます。
とても良かったのは乗っていて足裏の疲労感が感じにくくなったこと。
ロングライドで足が残しやすいシューズですね!
ちなみにヒルクライムなどパワーをかけた走行でもタイムが落ちるようなことはなかったです。
歩けるってやっぱり便利
SPD-SLしか知らなかった頃はでかいクリートをつけてペンギン歩きすることに不便を感じていませんでしたが、いざ歩けるようになると行動範囲が広がります。
猫ちゃんをおいかけて草むらに入ったり…
「SLのクリートとシューズだと床を傷つけやすい」という理由で行かないようにしていた木造床の道や施設などにも入れるようになりました。
僕みたいに出かけた先で写真を楽しむというようなライドスタイル方にはSPDシューズのほうが向いていると思います。
Tecno 3 system は一長一短
本シューズはダイヤルを回しワイヤーを締め上げて履くタイプですが、これは一長一短ですね。
ダイヤルを回すだけで簡単に履けるものの、1ダイヤルタイプなのでつま先付近の締め上げが弱いです。
長らくベルクロ+ラチェットベルトのタイプを使っていましたが、そちらのほうが細かい締め上げ調整はしやすい印象。
ただし本シューズのほうがダイヤルのラチェットが細かく、締め上げられる量の微調整ができるので好みの履きやすさには調整しやすいです。
通気性は悪くない
グラベル専用シューズとしてMTBシューズより遥かに多く設けられたベンチレーションホールのおかげで靴の中はムレにくく快適です。
ロード用シューズと違い足裏のベンチレーションがないため、結構暑いのではないかと心配していたのですが杞憂でした。
地味目なデザインは最高
一昔前のド派手シューズと違い昨今はモノトーンのシューズが増えてきましたが、本シューズはダークグリーンともう一つ地味な感じです。
中堅からベテラン(年齢的に)の方にも合わせやすく、どんなウェアと合わせても良いシックなシューズで良いですね。
シューズの重量は!?
シューズの重量はシマノのSPDクリートを取り付けた状態で片側356gでした。
前に履いていたシマノのRP5がクリート込みで311gだったので、さすがにロード専用シューズよりは重いですが、乗っていてその重さを感じるようなことはありませんね。
多くの方には不満のない重量かと思います。
グラベルだけでなくロングライドやツーリングにもヨシ!
乗りやすく見た目もよい非常に満足度の高いシューズです。
10年ぶりにSIDIのシューズを履きましたがやっぱり良いですね。フィット感が良く非常に履きやすいです。
これからはSPDシューズでのんびりと乗ろうかな?という方やグラベルを含む欲張りツーリングを楽しみたい方にもぴったりかと思います。