Lマウントの標準ズームレンズ パナソニック LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.のレビューです。
24-105mm F4といえば各社がしのぎを削って開発する標準ズームレンズです。
描写と使いやすさのバランスが求められ、そのマウントのベンチマークレンズと言っていい製品ですね。
このLUMIX S 24-105mm F4は各社ズームレンズ(ソニー、キヤノン、ニコン)と比較してどのあたりが優れているのでしょう?スペック比較や実写チェックで評価していきましょう!
Panasonic LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. レビュー
レンズスペックチェック
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 24-105mm |
F値 | F4.0 |
最短撮影距離 | 30cm(ズーム全域) |
最大撮影倍率 | 0.5倍 (T端) |
画角 | 84~23° |
最大径×長さ | 84x118mm |
構成レンズ枚数 | 13群16枚 |
絞り羽枚数 | 9枚 |
フィルター径 | 77mm |
重量 | 680g(カタログ値) |
防塵防滴 | 防塵・防滴・耐低温性能アリ |
競合他社とのスペック比較
レンズスペックを見る限りフルサイズ用ズームレンズとしては驚異的な近接撮影能力(30cm)とマクロ撮影能力(望遠端0.5倍)が目を引きます。それでいてF4通し、防塵、防滴、耐低温性能、手振れ補正もあり中々の唯一無二ぷっり。
折角のなので競合とレンズスペックを見比べてみましょう。(ソニー、キヤノンは24-105 F4、ニコンは24-120 F4)
項目 | LUMIX S 24-105 | SONY FE 24-105 | CANON RF 24-105 | NIKON Z 24-120 |
---|---|---|---|---|
焦点距離 | 24-105mm | ← | ← | 24-120mm |
F値 | F4.0 | ← | ← | ← |
最短撮影距離 | 30cm | 38cm | 45cm | 35cm |
最大撮影倍率 | 0.5倍 (T端) | 0.31倍 | 0.24倍 | 0.39倍 |
画角 | 84~23° | ← | 84~23.2° | 84~20.2° |
最大径×長さ | 84×118mm | 83.4×113.3 | 83.5×107.3 | 84×118mm |
構成レンズ枚数 | 13群16枚 | 14群17枚 | 14群18枚 | 13群16枚 |
絞り羽枚数 | 9枚 | ← | ← | ← |
フィルター径 | 77mm | ← | ← | ← |
重量 | 680g | 663g | 700g | 630g |
防塵防滴 | 〇 | ← | ← | ← |
手振れ補正 | 〇(協調最大7.5段) | 〇(5段程度) | 〇(5段/協調最大8段) | × |
価格.com最安値 | \124,800 | \138,042 | ¥156,420 | \125,730 |
こうしてみるとLUMIX S 24-105mmの近接撮影能力と性能バランス、お求めやすさのアドバンテージが良く分かります。
ソニーはスペックは普通ですが手振れ補正付レンズでは最も軽く、ニコンは唯一焦点距離が120mmまであり軽量ですが手振れ補正はありません。
反面一番高くて一番重くて一番性能が微妙なRF 24-105mm F4…。正直このレンズがこの価格で成り立っているのはキヤノンだからと言っても差し支えないレベルです。他社が出していたらものすごく文句を言われてそう…。
外観チェック
一眼レフ時代からフルサイズをお使いの方や、すでにフルサイズレンズに慣れているという方なら「普通のサイズ」という評価を下すところですが、レンズ交換式はマイクロフォーサーズから始めフジのAPS-C、Lマウントと順当にステップアップして来た身としては「正直デカイ」です(笑)
レンズの仕上げはシボ感のある塗装となっており質感は良く、ズームリングやフォーカスリングはゴム巻き、それぞれのリングは段差を設けてあるLUMIX S シリーズレンズ共通の仕上げとなっています。
ごちゃごちゃした機能はなくシンプルなデザインで末永く使って行けるレンズかなと思います。
非球面レンズや色収差を抑えるためのUED(特殊超低分散)レンズをふんだんに使った贅沢な設計です。
前玉は大きくフィルター径は他社と同じく77mm。このクラスのレンズはほぼこのフィルター径ですね。
僕はいつもハクバの保護フィルターを愛用しております。77mmにもなるとやや高いですがハクバのXC-PROはコスパが高くておすすめです。
後玉側はLUMIX S シリーズおなじみの角型カットが入っています。
レンズを揺すると一番後ろのレンズ群がカタカタ前後に動きますが故障ではないので心配なく(笑)
レンズサイドにはズームロックスイッチ、AF-MF切り替えスイッチ、手振れ補正ON/OFFスイッチが搭載されています。
一番上のズームロックスイッチは、一番縮めた状態で伸びてこないようにするためのものです。普通に使っていてレンズが伸びてくることはないですが、ハイキングなどでレンズを微妙に出した状態で段差を下っていたりすると少しずつ振動で伸びてくることがあるので、そういう時には重宝しました。
2段目のAF/MFスイッチは特筆することはありません。動画でもスチルでも使いやすい位置に存在しています。
3段目の手振れ補正スイッチはレンズを触っているとたまにオフにしてしまうことがあり、正直もう少し位置を練ってほしいところです。スイッチの操作感も軽いのでつい動かしてしまいます(笑)
それぞれのスイッチは形状が変えてあり、目視しなくともどのスイッチか確認できるのは良いですね。パナソニックのカメラはこういうユーザー配慮が効いていていつも感心してしまいます。
付属のレンズフードはロックスイッチ付きで逆付けももちろん可能。
ロックスイッチの操作感やロック感は心地よく、回転させやすい割にはガタもないので優秀です。このあたりは富士フイルムのグダグダフードロックを体験しているとなんでもOKを出したくなります(笑)
フードを付けて撮影状態にしてみました。やっぱり長い…。
フルサイズのボディは小型軽量化が進んでいますが、レンズの全長や直径は光学系に依存しがちなので、レンズは極端に小さくなりませんね(むしろ高画素対応や収差低減のためにより昔より大型化している気も…)。
LUMIX 20-60mm F3.5-5.6との比較
ただLUMIX S シリーズはよりコンパクトな20-60mm F3.5-5.6という便利なズームがありますので、デカイ重いと感じたらこちらを使いましょう(笑)全長で27%ほど短く、重量で49%ほど軽いです。
この20-60mmも唯一無二のズームレンズです。当ブログでレビューしていますので読んでくださいね。
レンズ重量チェック
様々なパターンでレンズ重量を量ってみましょう!
レンズ単体の重量は685gでした。
カタログ値と比較して5gほど重めです。LUMIXはレンズがわずかに重いことが多い気がする…。
レンズフードは39gでした。
樹脂製ですがさすがにこのクラスになると少々重さはありますね。
レンズ本体と合わせた使用時の重量は685g+39gで724g。これに保護フィルターが大体25gプラスと言ったところです。
これを重いととるか軽いと撮るかはあなた次第(笑)
レンズフロントキャップは23gでした。
このレンズキャップも引っ掛かりが強めで操作しやすく個人的には好みです。
ちなみにリアキャップは12gあるので、本体+フード+フロントキャップ+リアキャップの可搬状態が760gになります。
LUMIX S5に装着
愛用のLUMIX S5に取り付けてみました!
フードがないとまずまずのサイズ感と言ったところです。
Lマウントのマウント径は51.6mmとフルサイズミラーレスマウントとしてはやや小さめ(というよりRFとZが大きすぎる)ですが、レンズのくびれ感や全体の見た目は良好です。
LUMIX S5と本レンズの本体+フードを付けた使用状態での重量は1468g。
うっこれは重いな…としり込みしていましたがひと月くらい毎日振り回していたらあんまり気にならなくなってきました(慣れって怖い)。かといって軽いわけではなくたまにマイクロフォーサーズのカメラに持ち替えるとやっぱり軽くてニッコリしてしまいます(笑)
ちなみに本レンズはLUMIX S1(1017g!)のキットレンズですがS5に付けたときよりS1に付けた時の方が軽く感じます。
ボディが重いとレンズ側の重量バランスが手元側になり実際の重量より軽く感じるというやつです。釣り竿などでは重要視される要素ですが、なぜかカメラで語る人は少ない。
フードを付けるとレンズの大きさが際立ちます(笑)
LUMIX SシリーズのボディはコンパクトなS5でもしっかりグリップとレンズの間に空間を設けてあるので、指がレンズに当たったりすることはなく握りやすいです。
各部の操作感やスイッチへのアクセス性も優秀でS1と合わせる方がバランスが良いですが、S5でも十分使いやすいと思いました。
次ページよりレンズ実写レビュー
次ページから作例たっぷりで、スナップ、ロードバイク、登山、猫、物撮りと様々な観点で実写レビュー。